愛すべき彼女達 ~十人十色~
ポンポン。

大きな手を頭に乗せて、微笑みながら肩に引き寄せる。

「友達思いの千尋さん。
良い子だけど…………
たまには彼氏の肩も持って、甘えてくれませんか?
一応、久しぶりのデートなんですけど。」って

分かってる。

久しぶりのデート…………

私だって、楽しみだったし嬉しいよ。

分かってるんだけど………

はぁちゃんのことを思うと…………涙が止まらないの。

ごめんね、先生。

もう少しだけ待って。

新幹線の中だということも忘れて………

肩にもたれ掛かって心を落ち着かせる。





チュッ。

高校の頃から変わらない、頭の天辺にするキス。

「尋。
俺も……………プロポーズするけど………良い?」

先生の呟きは…………

トンネルに入った『ゴーッ』という音に掻き消されていた。
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