愛すべき彼女達 ~十人十色~
「ちぃちゃん、和くん。
それじゃあ………また。」

「「えっ?」」

私とはぁちゃんの目は………パチクリ!

またって………また今度の………また??

だって……

三泊四日の卒業旅行だったよね??

ハテナの顔の二人に。

「卒業旅行は、ここまで。
ここからは、新しい人生の始まり。
遥は、俺と。
ちぃちゃんは………和くんと歩いて行こう。
次に四人で会うときは………
新しい道が決まってるかな?」って。

はぁちゃんは

「いっちゃん、何を言ってるの??」って顔で

樹先生を見つめているけど………

私はさっき、先生にプロポーズの話しを聞いていたから

ピン!ときちゃった。

そっかぁ。

これから樹先生…………プロポーズするんだね。

『頑張って。』って心で応援して

「はぁちゃん、ここからは二組それぞれでデートしよう!
私も先生に中々会えないし。
はぁちゃんだって、樹先生とお泊まりなんて
そうそう出来ないでしょう?」

私の言葉に、樹先生と二人でお泊まりという現実に不安になったのか。

「ちぃ~ズルい。
一緒に寝てくれないの~」と泣きが入った。

はぁちゃん可愛い!!

「大丈夫だよ。
樹先生は、はぁちゃん大好きだもん。
嫌がることはしないから。
安心して二人でお泊まりしておいで。」

いつもはしっかり者のはぁちゃんの涙目に笑いながら

樹先生の胸へと

ポンと背中を押した。

「サンキュ!ちぃちゃん。
お二人さんも素敵なデートをして下さい!」

浮かれ気味の樹先生に手を引かれて

はぁちゃんが人混みに消えて行った。
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