愛すべき彼女達 ~十人十色~
海晴の場合…………その2
「遅くなってごめん。
今から学校を出ます。
帰りにスーパー寄って帰ろうか?」
律儀なコウは、毎日学校を出る前にメールをくれ
幼稚園に迎えに来てくれる。
大概、私の方が遅くなるのに…………。
「ただいま帰りました!」
夕方の職員会議が始まる頃
悠人先生に頼まれたおやつを片手に、コウが顔を覗かせる。
「「「「おかえり」」」」
先生達のコールに、笑顔で答えながら私の隣に座って
「ただいま。」と
私にだけ聞こえるように、もう一度言ってくれる。
みんなの視線なんて気にしないコウとは違い。
中々素直になれない私は………
毎回そっぽを向いてしまうけど。
そんな私に、ポンポンと頭を触って『了解』の合図をしてるあたり
お互いが分かり合ってるなぁ………なんて
都合の良い考えに甘えてしまう。
ホントは………
笑顔で『おかえり』と言って欲しいはずなんだけどね………。
「今日は洋介さんのパンです。
色々あるから、ケンカしないで下さいね。」
そう言って悠人先生に渡し
「朝用のパンもあるよ。」とニッコリ笑いながら
自分の袋を揺すって見せる。
ホント………
勿体ない程優しく、気のきく旦那様です。
けど………
時々、この優しさが………
堪らなく辛く感じてしまうことがある。
病気がさせてるって分かってても。
その感情すら……………私を苦しめる。
…………………いつか…………治るのかな?
今から学校を出ます。
帰りにスーパー寄って帰ろうか?」
律儀なコウは、毎日学校を出る前にメールをくれ
幼稚園に迎えに来てくれる。
大概、私の方が遅くなるのに…………。
「ただいま帰りました!」
夕方の職員会議が始まる頃
悠人先生に頼まれたおやつを片手に、コウが顔を覗かせる。
「「「「おかえり」」」」
先生達のコールに、笑顔で答えながら私の隣に座って
「ただいま。」と
私にだけ聞こえるように、もう一度言ってくれる。
みんなの視線なんて気にしないコウとは違い。
中々素直になれない私は………
毎回そっぽを向いてしまうけど。
そんな私に、ポンポンと頭を触って『了解』の合図をしてるあたり
お互いが分かり合ってるなぁ………なんて
都合の良い考えに甘えてしまう。
ホントは………
笑顔で『おかえり』と言って欲しいはずなんだけどね………。
「今日は洋介さんのパンです。
色々あるから、ケンカしないで下さいね。」
そう言って悠人先生に渡し
「朝用のパンもあるよ。」とニッコリ笑いながら
自分の袋を揺すって見せる。
ホント………
勿体ない程優しく、気のきく旦那様です。
けど………
時々、この優しさが………
堪らなく辛く感じてしまうことがある。
病気がさせてるって分かってても。
その感情すら……………私を苦しめる。
…………………いつか…………治るのかな?