愛すべき彼女達 ~十人十色~
ドキドキする胸を押さえていたら

『どうだった??』と追加のメールと

救急車とパトカーが集まって来ている写メが。

救急車???

そんなにヒドイの??

泣きながら携帯を片手に来た道を戻って、校門を出たところで

ププッ!とクラクションを鳴らす車が横付けされた。

「おはよう。
かな、もう直ぐ授業が始まるよ。
何処に行くつもり?」と

涙が溢れて、冷静でいられない私は

この車の主が春人さんだと理解せず

『春人さんが大変なの!!
このまま会えなくなったらどうしよう~
まだ好きだと、伝えてないのに………。』と泣きじゃくっていた。

ポロポロ溢れる涙を拭って

「そんなこと言われたら………お仕事なんて無理だわ。」と

車に乗せて走り出した。

えっ??

えっ!??

もしかして…………春人さんの車??

「えっ??
どうして、春人さん?
事故は??」

私の質問に

「何を寝ぼけてるのか分からないけど。
かなの本心を聞かせてもらったから、もう離してあげないよ。」って。

どういうこと??

戸惑う私の元に届いたのは

親友二人からのメールだった。

『今日は、エイプリルフールだよ!
まさか、こんなに上手くいくとは………。
学校には『体調不良で春人先生が送って行った』って伝えるね。
鞄は帰りに届けます。』って。

…………………やられたぁ。
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