愛すべき彼女達 ~十人十色~
その気持ちは、幼稚園に上がろうと

小学校に通おうと、変わりなくて……………

中学生になっても…………そのままだったの。

初恋は報われないって、よく言うけど。

二周りも年上の男の人が、自分に恋をしてくれるなんて

あり得ないって分かってるから。

いつでも諦められるように、好きになりすぎない努力をしてた。

その頃になると、彰人君以外みんな結婚して子供も出来てて。

彰人君だっていずれは、結婚するんだからって

心の中ではいつも、イメージトレーニングをしていたの。

だから、大丈夫って思ってたのに。

ある日突然、そんな時がきたとき…………

私は受け止めることが出来なかった。



あれは中学3年の夏休み。

受験生の私は、例年だと家族みんなで旅行に行ったり

海やプール、花火大会にキャンプと夏を満喫しているんだけど。

この年は、ずっと塾通いだった。

お盆も過ぎて、ソロソロ行き詰まってきた頃。

『寧々、たまには息抜きしないか?』と、パパが誘ってくれたの。

お腹に赤ちゃんが出来た咲ネェは

実家に帰ってつわりの時期を乗り切るらしく

パパは一人で淋しいみたい。

そこで、私と彰人君を誘って遊ぼうと電話してきた。
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