愛すべき彼女達 ~十人十色~
「う~ん、どうしようかなぁ。」

ホントは、彰人君禁断症状にイライラしてたから

直ぐにでも『行く!!』って言いたい所だけど

彰人君との約束で、模試の順位を上げないと遊ばないって言われてたから

迷ってしまう。

「だって………………彰人君が……………。」

グチグチ言ってたら

「彰人は、自分だけデートしてるんだから
気にせず行こう!」って。

えっ!!

デートしてるの??

誰と??

思った以上のショックに……………

涙が溢れて止まらない。

「あれっ?
寧々ちゃん??
お~い、寧々~」

電話越しのパパは、心配してオロオロするけど………構っていられない。

どうやって電話を終わらせたのかすら覚えていなかった。

勉強すらやる気が起きず、ベットにうつ伏せて泣いていたら

…………………いつの間にか眠っていたようで

頭を撫でる大きな手の感触に、目を覚ました。

「泣きながら寝たら、目が腫れるぞ。」

目を覚ますと、涙の張本人が苦笑いしてた。

「……………………彰人君。」

聞きたいことも、話したいこともあったはずだけど

変わらず笑ってる顔を見たら、何も言えなくなった。

………………今はまだ…………私の彰人君だよね。

好きって気持ちが、自分の想像を越えてたことに驚いたけど。

妹だっていいから………私の側にいて。
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