愛すべき彼女達 ~十人十色~
朝目を覚ますと、隣には王子さまが寝ていた。

「おはよう、寧々。」

いつもと変わらないおでこのキス。

「なぁ、寧々。
後2日は、キャンセルして帰ろうか。」

彰人君の言いたいことは、分かる。

それでも私の答えは………………NO。

だって、ここで諦めて帰ったら

もう2度と一緒にデートしてくれないはずだから。

泣きたい気持ちを、グッと堪えて

昨日出来なかった…………一斉一代の告白をした。

「彰人君が大好きです。
パパや洋兄達と違い、男の人として好きになったの。
でも今日、この告白で私の気持ちは終わりにするから安心して。
彰人君は、好きになった人と結婚して下さい。
私も、なるべく早く新しい恋を見つけるからね。」

最後の時間が、笑顔でいられるように

奥歯に力を入れて、涙を溢さないよう頑張っていたら……………。

「…………………新しい恋なんて、探さなくていい。
そんなことせず、ずっと俺の隣にいろ。」って、抱きしめられた。

…………………………………ずっと一緒??

彰人君と一緒に居られるの??

あんなに堪えていた涙が…………

後から後から溢れてきて、彰人君のシャツに染み込んで行く。

……………………私の初恋……………実っちゃうの?
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