溺愛ホリック
愛想つかされんのが1番怖くて。



情けねぇな·····と心底嫌気がさした。



「大事にしてぇのに、から回る·····」

「今日の暁余裕なし男」

「おっしゃる通り·····」

「そんな暁も芹は好きだよ」

「今それ言われるとムラッて·····」

「1回病院行け!」



俺って病気なの?



たぶんどの医学書にも載ってない芹病にかかってんだ·····。



芹の何もかも全てが欲しくなる。



どうしてくれんの?



治療法は芹だけ·····。



「治して、芹」

「じゃあ、目閉じて」

「なんで?」

「いいから!」



先生の言う通り目を閉じる俺。



視界が真っ暗になった時、不意に感じた柔らかいもの。



どうやら俺は芹に食べられた。

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