溺愛ホリック
壊れものを扱うように、芹の頬を指でなぞる。



その小さい唇に触れれば、芹の身体は素直に反応して。



相変わらず受け身のうまい芹は目を閉じる。



俺も野暮じゃないんで、しっかりそれに応えてて、手は芹の背中へ。



芹に着せたワンピースはちゃっかりファスナー付きのものを選んでて。



ジーッと下ろすけど芹の抵抗なし。



そのまま唇を芹の白い肌に這わせれば、芹の口からは甘い吐息。



このまま続けようとしたら、芹が思いがけない一言·····。



「ベッドが、いい·····」



よし、連れてっちゃる。



お姫様抱っこで芹を軽々と抱え、ベッドに下ろす。



すぐさまキスを落として、俺もスーツを脱いでいく。



電気は消えてるけど、芹の華奢さは暗闇でもわかる·····。



壊さないか。



ただそれだけが怖くて、でも幸せで。



この日感じた温もりを、俺は一生大事にしたいと思った。

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