溺愛ホリック
一見喜んでるふうに見えるウミちゃんだけど。



やっぱり寂しそうに見える僕は、ウミちゃんの手を取る。



ウミちゃんのママ、見てる?



この手を守るのは僕の役目だから安心していいよ。



僕が誰よりもウミちゃんのこと守ってみせるから。



「お父さんはどんな人?」

「そうですね·····。ちょっと堅いです」

「かたい·····?」

「真面目というか·····。昭和のお父さんって感じ·····」

「あはは〜。素敵なお父さんだね〜·····」



ぼ、僕みたいなチャラくて馬鹿そうなのって、お父さんが1番嫌いなタイプじゃない·····!?



ラスボスって現実にもいるんだね·····。



ウミちゃんと付き合ってること、しばらく内緒にしてもらわないと·····。



反対されるの目に見えてるし·····。



なるべく見つからないように、ウミちゃんの家の近くで別れることにした。



「気をつけてね」

「大丈夫ですよ。もう家見えてるのでっ」

「心配·····いろいろと·····」

「えっ?」

「なななんにも!?」

「千賀くん、暖かくしてね」



手を振りながら去るウミちゃんとの将来が突然不安になった·····。



僕、今日から真面目に生きます·····。

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