溺愛ホリック
えー·····。



柚子は思った以上に手強くて、項垂れるしかなかった。



「柚子だろ·····」

「わ、たし?」

「私」

「·····」



え、黙った?



なんて思って柚子を見たら、またあのリンゴ顔。



リンゴ、大好物。



ガブっと噛んでやった。



「か、噛んだっ·····」

「柚子のこと好き故。お前は?」

「す、好き·····」

「やっと言った」



もう、ハマったこの罠からは抜け出せない。



柚子はもう、俺のもの。



溺れる覚悟はできてんの?



「君たち、お姉ちゃんがお帰りだよ·····」

「入ってくんなよ·····」

「妹襲っていいなんて許可出してない!」

「なんで梓ごときに許可もらわねぇといけねーんだよ!」

「はぁ!?ちょっと豹こっち来な。絞める」



って言ってほんとに首しめられてプロレス技かけられたけど。



柚子の可愛い寝顔見たらどうでもいいわって思えた。

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