溺愛ホリック
隣で千賀くんが深呼吸をして、いよいよ玄関の扉を開いた。



リビングで待っているパパの元へ2人で向かう·····。



中に入れば、千賀くんの顔は能面のように·····。



パパってば、無駄に威厳な態度とらなくていいよ·····。



「パパ、こちら一条千賀くん」

「こんにちは。潤美さんとお付き合いさせていただいている一条です」

「もう、返事くらいしてよ·····。千賀くん、座ってっ」



一言も発さずに私たちを凝視したままのパパなんて放っておいて、千賀くんに腰を下ろすように促したその時。



「誰が座っていいと言った」



なんてパパが言ったもんだから、千賀くんは直立不動になってしまいました·····。



それからのパパは、私が恐れていた質問タイムに入ってしまって。



もちろんターゲットは目の前にいる千賀くん·····。



「一条くんと言ったね?」

「あ、はい·····」

「随分派手な様子だが、今は何をしてるんだ?」

「接客業をしてます」

「高卒なのか?」

「そうです·····」



だんだん眉間にシワがよるパパ·····。

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