溺愛ホリック
所詮学歴だよ?



千賀くんにはもっといいところがあるし、パパにはそれをわかってほしいのに。



重たい空気が流れる·····。



「潤美とは長いのか」

「もうすぐ2年になります」

「·····そうか。見ての通り家は片親だ。妻の代わりに私が子どもたちを育ててきた」

「はい」

「だから、嫁にやるにはちゃんとした男にと常々思っている」



パパはやっぱり片親だということを気にしているのかな。



私はママがいなくても成長できてるし、それはやっぱりパパのおかげだって思ってる。



だからこそパパには反対されたくないの。



千賀くん以上に素敵な人はいないと思っているから·····。



どうにかしてパパに認めてもらう策はないかと、練り練っていたら、千賀くんが説得し始めた。



「僕は見ての通り派手ですし、高校生活を真面目に過ごしてたかと聞かれると、はいとは言えません」

「·····」

「ですが、潤美さんと出会って変わることができたと感じてます」

「大学へ行かなかったのはなぜだ?」

「それは·····」

「勉強が嫌いだからだろう。君を見てればそんなことくらいわかる」

「はあ·····」

「今の仕事はやめなさい」

「えっ?」

「私の会社で働きなさい。生半可な気持ちじゃ、潤美のこと安心して任せられん」



えっと·····パパ?

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