溺愛ホリック
千賀くんの反応が微妙すぎて不安·····。



社長令嬢なんて肩書きだけだから、親友の蜜にさえ言ってないし·····。



もっと裕福な生活してれば、自分自身がお金持ちの家に育ったって実感も湧くんだろうけど·····。



お兄もけっきょく会社の跡継がないで、なりたかった教師の職についてるし·····。



千賀くんの顔色を伺いながらオロオロ·····。



どうしたらいいのかな·····。



「あのっ、荷が重いのなら断っても大丈夫ですのでっ!」

「ん?あー、違うよ。凹んでんのは、僕なんかがウミちゃんと将来ずっと一緒にいてもいいのかなって考えてただけ」

「えっ·····」

「すっごく立派なお家のお嬢さんみたいだからさ。認めてもらうのもけっこう大変そうだしね」

「·····別れるんですか?」



なんか、そんなニュアンスにしか途中から聞こえなくなっちゃって·····。



思わずそんな言葉を口に出せば、同時に目からも溢れるもの。



こんなことになるなら、ずっと内緒にしとけばよかったっ·····。



私の目から涙がこぼれるのを見て、今度は千賀くんがオロオロし出す·····。



「ウミちゃん!?え、別れないよ!?」

「えっ·····?ほんとっ·····?」

「嘘で別れるとか絶対ないし!僕、ウミちゃんと一生を添い遂げるってもう誓ってるし!」



一体、誰に·····?

< 168 / 178 >

この作品をシェア

pagetop