溺愛ホリック
精一杯な千賀くんの説得が続き、私の涙も自然と止まる。



心も落ち着いて、千賀くんと真剣に向き合う。



私との将来を1番に考えてくれてる千賀くんは、私のためにパパの会社で働くことを決めてくれた·····。



「ショップもそれなりに楽しかったけど、後悔とか残るくらい思い入れがあったわけじゃないからね」

「無理·····してないですか?」

「全然してないよ。だからウミちゃんももう気にしないの。ね?」

「パパにひどいこと言われたらすぐに言ってください」

「パパはそんなこと言わないでしょ〜」

「千賀くん·····ありがとう」



微笑む千賀くんに安心して抱きついた。



それに応えてくれる千賀くんの温もりを全身に感じて、私も今まで以上に千賀くんをサポートして行かなくちゃと身を引きしめた。



それから数週間後。



千賀くんは今の仕事を辞めて、パパの会社に就職した。



どうやらパパ直々に仕事を教わるのではなく、パパが1番信頼している部下さんが、千賀くんの教育係になったみたい。



夕方、クタクタになって家に帰ってきた·····。



「はあ〜·····。ただいま〜·····」

「おかえりなさい、千賀くん」

「ご飯のいい匂い〜·····。ん〜、今はご飯よりウミちゃん〜っ!!」

「きゃっ!?」

「癒して〜っ!!」



千賀くんってば、おっきな赤ちゃんみたいなんだから·····。

< 169 / 178 >

この作品をシェア

pagetop