溺愛ホリック
《暁》



幼い頃は毎日俺の周りにひっついて離さなくて。



好きって言われて、俺もたぶん子供ながらに好きの感情があった。



成長するにつれて、アイツはどんどん綺麗になる。



同時に俺の中でも抑えきれない感情が出てきて、芹が高校生になった時を機に、距離を置こうと思って冷たくした。



けどあのおてんば女。



どこでキスなんか覚えたんだよ·····。



芹をめちゃくちゃにしてしまいそうなあの時の衝動が襲ってきて、追いかけようとした足を止めた。



「不破先輩、元気ないですね?」

「·····」

「大丈夫ですか?熱、ある?」



芹とは真逆だな、この子。



性格可愛いし落ち着いてるし従順だし。



わがままでツーンとしてる芹とは大違い·····って、こんな時でも芹かよ。

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