溺愛ホリック
それからしばらくして、風の噂で先輩の名前を知ることになり。



同時に、よからぬ噂も耳にした。



「一条千賀先輩。学校1のプレイボーイらしいよ!」

「え·····」

「女の子誰とでも遊ぶんだって!私も遊ばれてみたーい!」



クラスメイトが一条先輩のせいで色めき始めた。



真逆に、私はこれでもかと幻滅していた。



だって、目の前で女の子3人に囲まれてチヤホヤされてる一条先輩がいるんだもん·····。



見たくなかった。



一条先輩が、初めて本気で好きになった人がこんな遊び人だなんて·····。



「あの子ずっとこっち見てる。千賀、知り合い?妹かなんか?」

「え〜僕の妹は芹だけだよ。君、僕に用事?」

「ち、違います!」



一条先輩と話せるチャンスだったけど。



なんか、嫌だった。



女の子とベタベタくっついてる一条先輩を見るのも嫌だったし。



何より、私のこと覚えてないことが悲しかった。



私なんて所詮、一条先輩にとってはそこらへんにいる女の子のうちの1人なんだよ。

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