溺愛ホリック
放課後はあたしが暁の教室に迎えに行った。



なのに、なに、あれ。



なんなの、あの女。



窓際、席の前後で向かい合って笑ってる。



芹には怒って、その女には笑うの?



見たくなくて、暁を放って帰ろうとしたのに。



廊下ですれ違った集団とぶつかった。



「悪いな!·····って、一条の妹じゃね?」

「めっちゃ美人じゃん。大丈夫〜?」



うっさい·····。



あたしはね、今最高級にいら立ってるの!



ツバでもかけてやろうかと思ったその時。



ガラッと開いた教室の扉。



暁·····。



「お前らもういいよ。この子、俺のとこに来たし」

「また不破かよ。てかお前、女と切ったんじゃなかったわけ?」

「切って、今はこの子だけ。余計な心配いらねぇんだけど」



そう言って、グイッとあたしの腕を引きその場から連れ去った。

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