溺愛ホリック
先輩みたいに慣れてないから、少し触れただけでも心臓が跳ねて頭真っ白になるのに·····。



まだ行動ひとつひとつにドキドキしている私には何も期待しないでください·····。



「じゃあそういうのは僕からするとして、」

「え、ちょ、先輩っ!」

「はい、3つ目。その先輩っていうの禁止します」

「·····え?」

「先輩なんてくくりたくさんいるじゃん。僕には、一条千賀って立派な名前があります!」

「一条先輩は、一条先輩なので·····」

「先輩って呼び方、壁を感じるんだよね〜。てことで、下の名前で呼ぼっか!」



そう簡単に言わないでくださいよぉ〜·····。



距離を縮めるため、という先輩はニコニコ笑顔で私を見つめる·····。



欲しがりなだけにしか見えません·····。



なんとか、千·····までいいかけるけど、その先がなかなか出てこなくて。



先輩の視線のせいだと思い、後ろを向いてもらうことを条件に、もう一度名前を呼ぶことになった。



「ほんとは、ウミちゃんに見つめられながら言われたいのに·····」

「そ、そんなこというなら言いませんっ」

「え、それはやだ。ほら背中に向かって言ってごらん?」

「ちっ·····」

「うん」

「千賀·····くん·····」



恥ずかしくてもう穴に入りたい·····。

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