溺愛ホリック
呼び捨てなんてできっこなくて、こういうしかなかったけど·····。



先輩の反応が全くなくて不安全開。



これは間違ったんだと確信したその時。



「うん、思った以上にやばいね。名前呼び、いい」



なんてボソリそんな声が聞こえて、なにかを噛み締めている様子の先輩。



その状況をまるで飲み込めない私が先輩の顔を覗こうとすれば阻止され。



見ないでって言われたら、さらに見たくなりますけど·····。



「ちょ、ほんとだめ。男としてこの顔は見せられない」

「どんな、顔ですか?」

「ウミちゃん、いったん引き下がろうか」

「千賀くん?」

「それ、ずるくない?」



だって、反応が、可愛くてつい·····。



ちょっぴり耳が赤くなってる。



照れてる証拠なのかな?



こんな手応えがあるなら、もっとやる、以外の選択肢なんてなくて。



「ねぇ、千賀くん」

「もういいよ。いったん終わり」

「どうして?千賀くん」

「遊んでるでしょ?」

「千賀くん、こっち向いて?」

「こら、潤美」



あ、怒った。

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