溺愛ホリック
《千賀》



周りが受験1色になってきたこの頃。



豹も暁も勉強ばっかりで、彼女とイチャイチャできないからってピリピリムード。



就職組の僕にも八つ当たりしてくる·····。



「あ゛ーむしゃくしゃしてきた」

「豹黙れ。口にすんな。余計いら立つ」

「柚子に部屋来て欲しくて鍵渡したのに、遠慮してか来ないんだよ」

「じゃあお前が我慢すればいい話だろ?こっちなんか遠慮なしに毎日ベタベタベタベタ·····」



どうやらこの2人、ムラムラ期。



最近、寒くなってきたのを機に溜まり場を変更して、今は空き教室を使っている僕たち。



愚痴吐くのにここに来る2人と、つかの間の時間を過ごす。



2人の話を他人事のように聞いていれば、気づけばイライラの矛先がこっちに向き始め·····。



「千賀も大学行けよ」

「んー、勉強したくない」

「そんな理由かよ·····」

「自由に生きたいからね~」

「適当人間」



最低限生活して行ければなんの問題もないでしょ?



僕は働きマンになる。

< 84 / 178 >

この作品をシェア

pagetop