青い光
「ちょっと、日菜!起きなさい!何時だと思ってるの??」
お母さんの叫び声で、はっと目が覚める。
「ん、なにこれ……」
目からは何故か、一筋の涙がこぼれる。
それを拭いながら、時計を見ると針は7時半を指していた。
「や、やば!」
急いで支度をし、髪をセットしてリビングへと向かう。お母さんはテレビを見ながらグチグチと文句を言っている。ロールパンを2個食べて、オレンジジュースを一気に飲み干すとカバンを持って外へかけだした。
「いってきまーす!」
10月とは思えないほどの暑さで日差しも強い。
「暑すぎ………」
独り言をこぼしながら、全速力で自転車を漕ぐ。
風がセットした髪を台無しにしていく。着いた時にはボサボサ……
「おい!高野!ギリギリセーフだが、もう少し余裕を持ってこい…!」
生徒指導係の羽賀先生。威圧がすごくて、めっちゃ怖い。
「すみません…!」
威圧に圧倒されて、小走りに教室へと向かった。
教室につくと、ちょうど8時。SHRの時間だけど、まだ先生来てない!ラッキー♪
「ちょっと、ひなっち!遅くない?どしたの?」
友達の理沙が心配そうに聞いてきた。
「夢のせいで寝坊しちゃってさ!」
「何それ?!心配して損したよ〜…」
「えへへ…♡」
「さては、またあのイケメンの夢だな〜?まあ、後で聞かせてよ!」
そう言うと先生が教室に入ってきた。
「おはよう、みんな。今日は………」
当たり障りのない毎日。あーあ、夢で何度も出会うあの男の子が現実にもいたらなあ〜…。
「ひなっち、SHR終わったよ!もー、ぼーっとしすぎ!それで、今日はどうだったの?」
理沙には、その夢を見る度に自慢してるからよく知っている。
「今日もめっちゃイケメンだったよ〜♪」
幸せオーラが全開すぎたのか、理沙は引き気味だった。
「あ、そういえば、今日は起きたらなんか涙流してたんだよねー。いつもそんな事ないのにさ。」
「え、なにそれ?漫画みたい!もしかして、ひなっちの将来の旦那さんだったりして〜?」
「えー?!やだ〜!♡」
だったらいいなあ、あんなイケメン…!!
それにしても、何度も同じ夢でいつも話しかけられたところで目が覚める。そして今日は泣いていただなんて、何かあるんだろうな。