先生は溺愛ダンナさま

情けないけど、どうしてもこらえきれなくて涙がでてきてしまった。


「ううっ」


2人に背中を向けて、窓の外を見ながらゴシゴシ目をこする。


「あれ？すみれ、どうした？」


泣いてることを知られたくなかったけど、肩をかすかに震わせていたら理人さんが心配そうに覗きこんできた。


「なんでもありません」


悲しくて、恥ずかしくて情けなくて、頭の中が、グチャグチャ。


「え、どうして敬語？すみれ、泣いてる？」


「どうしたの？すみれちゃん」


由香里先輩にも心配そうに声をかけられたけど、私は首を振る。


「なんでもないんです、ごめんなさい」


「でも」