先生は溺愛ダンナさま
彼のぬくもりに包まれた途端、心があったまる。


人前でこんなこと照れ臭いはずなのに、この時はなんだか嬉しかった。


「理人さん?」


「すみれ、可愛いすぎだから。ヤキモチ妬いて泣いちゃうし」


「うん私自分でも、恥ずかしいよ」


「腹が立ったなら、もっと怒ればいいのに。これ以上、俺を甘やかさないで」


「甘やかしてるのは理人さんの方だよ」


もう一度ギュッと抱きしめられて耳たぶに口づけられたから、ドキドキした。


「俺はいいの。もっともっとすみれを甘やかしたいんだ」


耳元で慈しむように言われて、ますます体温が上がってしまった。


私の旦那さまは本当に溺愛が、過ぎるんだから。


ふふふって、お腹の中から笑ったらもうさっきのモヤモヤなんて吹き飛んでいた。
















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