先生は溺愛ダンナさま
あーあ、こんないい加減な気持ちでいるから職探しなんて一向に進まないんだな。


生活自体は理人さんの収入で充分やっていけそうだけど、私も自分自身のお小遣いくらい稼がなきゃ。


実はアルバイトすらあんまりしたことの無い私。


はあってため息をこばして、スマホの壁紙を見る。結婚式での理人さんとのツーショット写真に癒された。


彼の優しい笑顔の隣には、バッチリお化粧をしたドレス姿の私のふんわりした笑い顔。


この世で一番幸せって顔をしている。


さっき別れたばかりなのに、もう会いたくなっちゃう。あすの夜までもつのかな、私。


うつろな眼差しでまた求人票を見ていたら、就職課の若い男性職員が新たな求人票を持ってきた。
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