先生は溺愛ダンナさま
求人票を渡される時に、彼と手が触れて一瞬えって思ったけれど。


過剰に反応するのも、恥ずかしいので気にしないようにした。


「ふうん、君がねぇ」


彼は私のことを下から上に舐めるように見るので、ちょっと嫌な気がした。


だけど、幼稚園から短大まで女子校だった私は理人さん以外の男性には慣れていないだけで、別におかしな雰囲気ではないのかも。よくわからない。

貰った求人票に目を落としてハッとした。


「あっ、これっ」


それは、今の私の希望を具体化するようななんとも素晴らしい求人で。まさに、ビビビッときたのだ。


「すみませんこれっ、お願いします」


すぐさま、目の前の彼に求人を受ける申し込みをする。


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