先生は溺愛ダンナさま
ああ、教師という聖職につく彼にとんでもないことをさせてしまってるんじゃないかな。


「謝らなくてもいいのに」


「だって、理人さんにあんないかがわしい雑誌を買いに行かせるなんて悪くて」


「あんなのたいしたことないよ」


なんでもないことのように、さらりと言う彼。


「え?そうなの?」


「いやいや、それより毎回こんなおつかいをさせられるのかな。俺はそのことのほうが心配だよ。帰ったら、仕事の内容とか上司のことも詳しく教えて」


「あ、うん」


「じゃあね。今日は実家に迎えにいくから。ご両親にもご挨拶しないと」


「理人さん、あのありがとう。買い物手伝ってくれて」


「いや、じゃああと少し頑張って。またちょっと遅くなるけどいい子にして待ってて」


小さな子供に言うように優しく言われ頭を撫でられた。


「うんうん」


抱きついてギュッーてしたいのを必死で我慢して、何度も頷いた。





< 42 / 103 >

この作品をシェア

pagetop