先生は溺愛ダンナさま
「おまえ、きちんと理人くんの役に立ってるのか?料理なんか全然できなかったろ?」


「うん、頑張ってるよ」


「いや、夜ご飯の味噌汁はから過ぎたぞ。理人くんはよく我慢してるな」


父は普段は、口うるさいタイプじゃないのだけど昔気質なのか結婚してからは、私の家事能力の低さを心配しているみたいだった。


「う、いつもはもっと上手に作ってるよ」


「どうかな」


焦って言い訳をするけど、父はあまり信じてくれない。


ピンポーン


「あ、理人さんだ」


ダイニングの椅子に座っていた私は、急いで立ち上がった。時計を見たら11時をまわっている。


そして、猛ダッシュで玄関に走って行った。

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