先生は溺愛ダンナさま
妹の蘭は、高校生で私の母校に通っている。隣の部屋だけど、あの子は一度寝たら朝まで絶対に起きない。


「えー、いいじゃん添い寝するくらい」


私の実家は、二階建ての5LDKの一軒家。


防音は普通並み。理人さんは気にしているのか、実家ではあまり私に触れようとしない。


「添い寝だけじゃすまなくなるから」


「ええー、せっかく2日ぶりにゆっくり会えたのに」


「明日から休みだし、マンションに帰ってからね」


「寂しいよ、えーんえーん」


嘘泣きをしてみせるけど彼には通用しない。


「はいはい、すみれ、早く寝なさい」


先生口調で言われたので、ぷうって頬を膨らませて拗ねてみせる。


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