先生は溺愛ダンナさま
「いい子にしてたら、ご褒美くれるって言ってたのに」


スキンシップをねだるようで恥ずかしかったけど聞いてみた。


「あれは、そういう意味じゃないよ。すみれの好きなもの、なんでも買ってあげようと思ったんだよ」


「うっ、そっか、そうなんだ」


シレッとかわすズルい彼には太刀打ちできそうもない。だけど、ますます拗ねてしまった私の口をついて出たのは、最低なセリフで。


「う、浮気しても知らないんだから」


「どうして?欲求不満だから?」


「ち、違うっ」


「そんな悪いこと言うの、すみれらしくないな」


「悪い子でもいいもん」


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