先生は溺愛ダンナさま
「俺が拒絶するたびに、すみれを泣かせたよね。
だけど、離れていかないようにギリギリでいつも繋ぎ止めた。俺は悪いやつだ」


高校生の時、彼に何回も振られたけど諦めきれなかったのは、その度に優しくしてくれたから。


結局、付き合ってくれたのは卒業してからだった。

昔から私は彼の手のひらの上で泳がされてるみたいなものだったな。だけど、彼に出会えて、本当に幸せだった。


唇に触れるだけのキスをしただけで、彼は目を閉じる。そして私の上に覆い被さったまま動かないからちょっと重い。


「理人さん?うそ寝?」


だけどスースー、寝息をたてているので本当に眠っているのかもしれない。


柔らかな頬をツンツンしてみるけど、やっぱり反応はない。


疲れてるみたいだから、仕方ないか。


だけど、これで添い寝できそうなのでその夜は彼にしがみついて綺麗な寝顔をいつまでもうっとり眺めていた。


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