先生は溺愛ダンナさま
意地悪なのか優しいんだかよくわからない藤川さんだけど、だいぶこの人にも慣れてきた。


癖のある人だけど、わりと自由に仕事をやらせてもらえるし、勉強になることもたくさんある。


軽い気持ちで始めた学校事務の仕事だけど、コツコツ作業するのは私には合っている気がした。


そして、なんといっても理人さんと同じ教育関係の仕事が出来て、会話も広がることが嬉しかった。


歓迎会をしてもらえる居酒屋さんは、いつも行きつけの場所らしくて駅前の商店街の中にある。


藤川さんと並んで歩いて、お店まで向かう。


「桜木さんて酒飲める人?」


「あ、いえ。あんまり飲めません」


「あー、そんな感じするわ」


「どんな感じですか?」


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