先生は溺愛ダンナさま

取り残された、私と理人さんはそんな2人の後ろ姿を呆然と見つめていたけど、しばらくして理人さんが口を開いた。


「すみれも今日、飲み会だったのか。酒が飲めないんだから気をつけないとダメだよ」


「・・・」


気まずい雰囲気になるけど、やはり彼の顔が、見れない。


「いや、いいんだ。今日は俺が宿直だしすみれだってたまには羽を伸ばしたいよな」


寂しそうな笑みを浮かべた彼は、ポケットからハンカチをだして私に手渡す。


わざとじゃないけれど、誤ってそれを落としてしまった。


彼は何も言わずに、ハンカチを拾ってポケットにしまう。


「すみれ、さっき大崎さんが言ってたけど、今夜は本当に宿直だから」