先生は溺愛ダンナさま
そして、きちんと私の職場の人達に挨拶してくれた。


「いつも、妻がお世話になってます。桜木です」


「いえ、こちらこそ。付属の高校の先生ですよね?」


「はい」


「噂以上のイケメンだわー」


女性の先輩達の黄色い声が飛ぶのを藤川さんは、つまらなそうにテーブルに頬杖をついて見ている。


「桜木先生も一緒に飲みましょうよ」


お酒が入って、テンションが上がっている女性陣に誘われるけど、彼はニッコリ綺麗な笑顔で対応する。


「すみません、まだ勤務中で。今日は宿直なんです」


「えー、残念。ねえ、桜木さん」


「あ、はい、いえ。その」


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