先生は溺愛ダンナさま
言いながら、私の背中に手を回してくるので、思い切り払いのけて、ギロって睨んだ。


今の私、めちゃくちゃ機嫌が悪いんですけど。空気を読んでもらえませんかね?


「うわっ、ごめんよー。キミっていつも意外に隙がないよな。旦那一筋?偉いねー」


あーあ、最低だ。こんな人にからまれて。そろそろ帰ろうかと思ったけどかなり酔っている藤川さんをどうしょうかと悩んでいた。


放って帰ろうかな。うんそうしよ。


そう思って帰ろうとしたら、藤川さんは突然正気に戻ったように立ち上がった。


「ああ、もう帰る?じゃあ俺も帰るよ」


そう言ってスタスタ歩き出すので、酔ってるんじゃなかったのかと驚いた。


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