先生は溺愛ダンナさま
ケーキだなんて言っても、藤川さんとなんて2人きりで行くわけないに決まってる。


それになんだか藤川さんたら、さっきから距離感が近くて気持ち悪い。お酒が入ると男の人ってこうなるのかな。


理人さんは、お酒はあまり飲まない。それほど好きでもないらしいから。だから、お酒を飲んで人格が変わる彼を見たことがない。


「ケーキだけ、行こうよ。もう一軒だけ」


突然強い力で、肩を抱かれてギョッとした。


「ちょっ、やめてくださいってば」


抵抗したけど離してくれなくて、
彼の私を見る目が怖いって思った。


だけど、足元がおぼつかなくて逃げることができない。酔いがまわってきているみたいで、ヤバイって思った。

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