先生は溺愛ダンナさま
「あ、ううん。理人さんて強いんだね。あれ、護身術?びっくりした。んっ」


わざと、明るく言おうとしたらキスで唇を塞がれて、強く抱きしめられた。


その深くて長いキスはいつもの彼じゃないみたいに強引で激しいものだった。


それに、痛いくらいに抱きしめられていた。


「あっ、もう、理人さん」


やっとのことで彼の唇から逃れてハアハアと息を吐いた。これ以上したら立っていられなくなりそう。


足がガクガクと震えてる。


「ほんとのことを言うとすみれにも、腹が立った」


吐き捨てるように言う彼は、明らかに怒りを我慢しているみたいだった。
拳を握りしめる彼の表情は強張っている。


「ご、ごめんなさい」


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