悔しいけど好き
「たかにい!姉ちゃん!こっち向いて!」

え?っと声のする方へと向くとカシャッと音がした。

「湊斗!」

弟の湊斗が一眼レフを構えニッカリ笑う。

「へへっ、今の姉ちゃんの顔ばっちり撮ったぜ!」

「ちょっと!見せなさい!まさか変な顔撮ってないでしょうね?」

「や~だね!いい顔してたって!」

嘘おっしゃい!と湊斗を取っ捕まえようとしたのに鷹臣の手が離れずにできやしない。
怒る私を征しながら呑気に近付きカメラをまじまじと見てる。

「へえ、随分いいカメラだなぁ?」

「一眼レフ!すごいだろ?これは家の手伝いとかお小遣い貯めて自分で買ったんだ。中古だけど」

「へえ、偉いな。いい趣味してんじゃん?」

鷹臣に誉められご満悦の湊斗は胸を張って自慢する

「俺写真部なんだ!後で撮った写真姉ちゃん達に送るから楽しみにしててよ」

「変な写真はやめてよ?」

「失礼な!これでもセンスはいいんだぞ」

どうだか?
湊斗は昔から写真を撮るのが好きだった。
でも今まで撮られた写真はまともなのがあんまり無かった気がするけど?
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