悔しいけど好き
プンスカ怒る湊斗を鷹臣がまあまあと宥め、じゃあ二人の写真をもう一枚撮ってよとお願いしてる。

しゃーないなあとカメラを構えた湊斗の前に立ち鷹臣は私の肩を抱いた。
弟の前で何するんだと睨むと、「ほら、笑え」と言われて笑えやしない。

「姉ちゃんそんなブス顔で写っていいの?」

「うるさいな!」

「笑わないとキスするぞ?」

「えっ!?」

まさかと思って鷹臣の顔を見ればにやりと笑ってる。
冗談だ気付いてホッとしたら自然と笑ってた。

「あ~びっくりした。冗談やめてよ」

「冗談じゃないけど?」

「え~~~」

思わず引いてたらお互いぷっと吹き出して、湊斗に急かされ微妙に笑って写真を撮ってもらった。
やっぱりどう写ってるか確かめさせてもくれずに湊斗はどっかに行ってしまう。
もう!変な写真だったら許さないから!

家に戻ればもうお昼時でみんなで家で取れた野菜をふんだんに使った母の手料理に舌鼓を打つ。
そこでも湊斗は写真を撮りまくっていた。
なんでも家族を題材にした写真部のコンクールがあるらしい。

撮った写真を確かめさせろ~!と湊斗に迫っていたら鷹臣に止められた。

「いいじゃん、楽しみに待ってようぜ」

って…言われ、変な写真は即刻消してよね!と湊斗に釘を刺しつつ諦めた。
私は写真写りが気になるお年頃なんですからね!
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