悔しいけど好き
兄として心配もしてくれてそんなこと言う海里兄さんに恥ずかしくて「そんなことしない!」って二人でかなり照れまくってたりした。
でも、私達は付き合って1か月後には一線を越えた。
二人とも同意の上での自然な成り行きだったと思う。
これは海里兄さんには知られてない私達の秘密だ。
今も内緒のこの秘密を鷹臣にはあっさりと告白した。
奴の気持ちを確かめたかったのかも知れない。

ミラー越しに周くんと目が合いにっこり笑うと鷹臣の寝顔を見て無造作に放られてる手を握った。
つい数日前までは誰かのものだと思ってた手が私と繋がってる。
嬉しくて暖かくてほっこりする。

「私達まだ始まったばかりなんだ。だからヤキモチ妬かせてどんな反応するかみたかったの。鷹臣、拗ねちゃって可愛いんだよ」

「それはまた悪趣味な…」

「へへ、私もそう思う」

「彼も気の毒に…」

またミラー越しに目を会わせにっこり笑うと呆れたようなため息を溢す周くん。

「まあ、彼には悪いけど事実だから。この際凪の最初の男だって自慢しておこうかな?」

平然とそんなことを言う周くんに少し驚く。

「うわ、らしくないことを。周くんそんなことできないでしょ?」

「ふふっ、普段ならそうかも。でも凪の彼にならできるかな?凪を取られて悔しいから」

意味深な目でミラーを見る周くんにドキリとする。
結婚してるくせに何いってんだか。

「や、やめてよ。もう十分ヤキモチ妬かせたし変なこと言わないでよ?」

「さあ、どうしようかな?」

不適に笑う周くんの顔、今まで見たことが無い。
ドキドキする胸を押さえ繋いでいる手をぎゅっと握った。
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