悔しいけど好き
「凪…ごめん」

湯船に二人で浸かり後ろから抱き締められた状態の私は肩に頭を乗せ反省してるらしい鷹臣に苦笑い。


二人で果てた後、荒い息の中、とにかく部屋が暑い事を思い出した。
汗でベトベトで窓を開け空気の入れ替えをしてる間にそのままお風呂に入っちゃおうということになって今この状態。
肩に残る歯形を見て鷹臣は反省しきりだった。

「こんな襲うように抱くはずじゃ無かったんだ…」

「別にいいよ気にしてない。肩も痛くないし」

「随分優しいな?前ならどうしてくれるって噛みついてただろうに」

疑り深くなってる鷹臣に苦笑い。
確かに今までの私なら怒ってたから後でどんでん返しでもあると思ってるみたいだ。

「まあ、怒らせたのは私だろうし…」

「違う…あいつに挑発されたんだよ。だから俺は…」

「あいつ?周くんのこと?何言われたの?」

「…話したくない」

「えーーー」

振り向き抗議の声をあげても鷹臣は話してくれず長居すると今度はのぼせると早々にお風呂から出ていった。

全く、周くんは何を話したのやら。
お陰で鷹臣は予想以上に嫉妬で狂って大変だったんだからと後で抗議しておこう。

でも…まあ、強引な鷹臣も嫌いじゃないからあまり強くは言えないけど。
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