悔しいけど好き
「なんだ、会ってくれないのか?」
「い、いや、緊張するじゃない」
「心配ない。うちは大歓迎だから」
にっこり笑う鷹臣に釣られて笑うけど顔がひきつる。
うちの家族に溶け込む鷹臣みたいには私はなれそうもない。
「凪はそのままでいいんだよ」
「鷹臣…」
私の思ってることがわかったのかひきつる頬に触れにっこり笑う鷹臣に緊張も和らぐ。
そのまま引き寄せられキスをして離れると鷹臣は不安そうな揺れる目で見つめてくる。
「凪、抱きたい。今度はちゃんと愛したい。優しくするから…」
「うん…いいよ」
にっこり笑えばほっとする鷹臣にチュッとキスをされ手を引かれベッドにたどり着く。
何度も二人で寝た狭いシングルベッドに座りまたキスをする。
「ここで、凪を抱きしめながらこの日が来るのを待ち望んでた…無防備なお前の寝顔にどれだけ我慢してたか…」
「待たなくても良かったのに…」
「でも、俺のこと嫌いだっただろ?無理意地はしたくなかった」
家に上がり込み我が物顔の鷹臣に反発しながらその時すでに私は鷹臣の事が好きだったんだって今は思う。
だから無理意地でもなし崩しでもなく鷹臣を心から受け入れてたと思う。
強引なくせにヘタれなとこもある鷹臣にくすりと笑った。