悔しいけど好き

奴の告白

凪が、俺が他の女に告白したって誤解してると知ったのは夜中の3時ころ。
寝ている側でスマホがピコンピコンと怒涛のようになっているのに気付いて、こんな夜中に何なんだと見た俺は完全に眠気が吹っ飛んだ。

送り主は同期で凪の親友、稲葉明莉。

ー[あんた、凪以外の女に告白したってホント?]
ー[どういうつもりしてんの?]
ー[凪が心配だって相談してきたのはあんたが凪の事好きだと思ったから!]
ー[だから協力したのに!]
ー[外に好きな女がいるなんてあり得ないから!]

「え?どういうことだよ?」

次々送られてくるメッセージに頭が混乱する。
凪以外の女に告白!?
そんなことするわけないじゃんか!
俺は、俺が好きなのは凪だけだ!

ー[どういうことだ?俺はそんなことした覚えねえ!]

ー[ビールパーティの後あんたが告白してるとこ凪が見たって!]

「はあ!?」

まさか、あの時か…凪が見てたなんて気付かなかった。
あれは…

ー[あれは告白したんじゃなくて、されたんだ!もちろん断った!]

[じゃあ、なんで凪があんなに辛そうにしてんのよ!]


そんな事俺が知るかよ!と言ってやりたかったけどそれより凪が誤解してると聞いていても立っても居られなかった。
やっと最近いい雰囲気で、凪が俺に心を開いてきてくれてたと自信が付くようになったばかりなのに!
こんなんで擦れ違いとか冗談じゃない!


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