悔しいけど好き
告白の件だけじゃなく凪を不安にさせてる俺の曖昧な態度にキレて尽く(ことごとく)文句をを言ってくる稲葉を説得して凪が今どこにいるのか聞いた。
逢いに行く以外の選択肢は俺にはなかった。

今稲葉と温泉地に旅行に行っている凪は明日実家に帰る。
なら、すれ違いにならないように実家の方に先回りすることにして住所を聞き出した。
ここから5時間はかかる海沿いの街が凪の実家のあるところ。
眠気なんてもうどこかへ行った。
起きたまま始発を待って駅へと走り電車に乗った。

凪にメッセージを送るも無視されっぱなし。
焦れてずっとスマホを睨みつけてた。
凪…こんなことになるなら拒否されても俺の気持ちを伝えておくべきだった…。

途方に暮れて景色を見る余裕も無く、凪の実家のある町に着き辺りを見回す。
稲葉が凪は電車で帰ると言っていたから駅出入り口が見えるカフェで時間を潰した。

その間に無視されてたメッセージに既読が付いた。
すかさずやっと見たなとメッセージを送ると既読してるくせに無視しやがる。
しつこくメッセージを送ってそれでも無視するからいつものように鼻を噛んでやると脅してしまった。
ー[私は会いたくない]
その言葉にやってしまったと慌てて電話しても切られその後は音信不通で頭を抱える。

< 137 / 325 >

この作品をシェア

pagetop