悔しいけど好き
「…なんだ、変なこと言わないでよ」

「ふんっ…分けなきゃ頭の中俺のことで一杯で仕事どころじゃなくなるだろ?お前のめり込みやすい性格だからな。俺の魅力は半端ないし?」

「なにそれ?なんなのその自信?」

ニヤニヤしてる鷹臣を睨み呆れる。
確かに自覚はしてるけど自信満々で言われるとなんかムカつく。

「重い女にはなりたくないんだろ?俺は大歓迎だけどな?仕事は仕事で集中してる方がバランス取れてそれが一番凪にとっていいんだよ」

「え?」

「ほんとはいつでもどこでもいちゃつきたいけどな?なーんて。じゃ、外回り行ってくるからよろしく~」

呆気に取られてるうちに鷹臣は私の頭をポンポンと撫で後ろ手にヒラヒラさせて行ってしまった。

プライベートを職場に持ち込まないようにしようというのは鷹臣と話し合ったけど重荷になりたくないとは話さなかったのに、まさか私の性格を見込んで考えてくれてたなんてびっくりだ。
お陰で私は心身共にいい状態だと思う。
だけど自分のことばっかりで鷹臣のこと何も考えてなかった。
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