悔しいけど好き

……
もう少しで昼休憩も終わる頃、ココアが飲みたいとあの自販機に買いに行ったらそこで鷹臣と仲良し同期の二人と話してる所を偶然聞いてしまってその場に登場するわけにもいかずスゴスゴと自分のデスクに戻る。

あの自販機コーナーは私にとって鬼門なのかもしれない。
聞きたくないことや後悔すること恥ずかしい事が立て続けに起こってもうあそこに立ち入るのは止めようと心に誓う。
ああ、でもお気に入りのココアがある自販機はあそこしかないのに！

でも、鷹臣が合コン誘われても断ってくれて私の事大事にしてくれてることは嬉しい。
気が強いのは自覚してるし同期達彼らの言葉に傷付きはしない。
でも……待って？もしかして、いちゃつく噂の出どころは鷹臣？
そう考えると社内でプライベートを出さないように気を付けてたのに噂が広まってる事態が納得いく。
張本人が喋ってたらそりゃ噂も高速で広まるじゃない！
鷹臣め！会社でいちゃつくようなことはしないなんて言ってこれじゃ意味ないじゃない！
すっごい恥ずかしい！

帰ったら文句言ってやる！！

「ぶっ…羽柴、何さっきから百面相してるんだ？」

「へっ！？あっ！正木部長！」

何時から見られてたのか、いつの間にか私のデスクの横に立ってた正木部長が拳を口元に当て笑いを堪えている。
百面相って…いろいろ考えてたことが顔に出てたらしい。
顔がぶわっと熱くなるのが分かって頬を押えた。