悔しいけど好き
悩みも吹っ飛ぶ相談相手
一週間ほどたった頃、珍しく美玖さんに誘われた夜。
うちの近くの小さなレストランは気になってたけど来たことがなかった。
「あ、美味しい!」
「ほんと美味しいね」
少し風が肌寒くなってきた今日この頃、二人共に頼んだ暖かいグラタンは身も心も暖めてくれそう。
美玖さんと二人にっこり笑ってハフハフと火傷しないように食べた。
「凪ちゃん、何か悩んでることある?」
「え?」
不意に質問されて食べようとしてたマカロニをぽとりと落とした。
「正木部長が凪ちゃんが悩んでそうだから相談に乗ってくれって」
「あ…あの、美玖さんご結婚決まったそうで!おめでとうございます!」
「あはは、ありがとう」
美玖さんにお祝いを言うタイミングを逃してた私は思い出したようにお祝いを述べると美玖さんは照れたようにはにかんだ。
「正木部長とだなんて全然気付きませんでした」
「隠してたわけじゃないけどね、私と部長じゃ釣り合わないと思われてるみたい」
「そんなことありませんよ!すごくお似合いです!」
「…うふふ、ありがとう。でもみんなびっくりするだろうからもう少しだけ内緒にしておいてね」
「はい」
「それより今は凪ちゃんのこと。迷ってることあるんでしょう?私に話してみてくれないかな?」