悔しいけど好き
それを聞いて険しい顔をしていた美玖さんがにこりと笑う。

「凪ちゃんは私とよく似てるかも」

「え?」

「私も同じようなこと考えてた。正木さんは素敵な人だから…」

少し寂しげに笑って美玖さんは教えてくれた正木部長とのこと。
正木部長も女性に人気の素敵な男性だ。
いろんな女性が正木部長を慕い誘惑する。
美玖さんはそんな彼らのやり取りを目の前で何度も見てきたと言う。

「そんな中、正木さんは私を選んでくれた。密かに想ってたから嬉しかったけどそれと同時に不安がまとわりついた。凪ちゃんと同じように」

少し遠くを見つめていた美玖さんは目を細め労るように私と目を合わせた。

「何度もくじけそうになったとき、そんな私に気付いた正木さんは言ってくれたの。自己評価が低すぎるぞ俺が選んだお前は最高にいい女だ自分を卑下するな信じろって」

「ふぁ…正木部長カッコいい…」

感動でうるっと来て美玖さんを見つめ返すと少し照れてた。

「正木部長言ってました。美玖さんは俺には出来た彼女だって。最後の女だとも」

「そんなこと言ってたの?恥ずかしいな」

照れつつも嬉しそうに笑う美玖さんはすごく素敵だ。

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