悔しいけど好き
「神城くんだってそう思ってると思うよ?」

「え?…」

「この先どんな出逢いがあってもきっと凪ちゃんがいいって思ってるってこと」

そうかな…信じてもいいのかな?
先のことはわからないけど鷹臣は私を最後の女だと思ってくれてるかな?
疑り深い私はまだそんなことを思ってしまう。

「美玖さん、正木部長が浮気したらどうします?」

結婚が決まったばかりの美玖さんにこんなこと聞いちゃダメだとわかっているけど聞かずにはいられない。

「もちろん首締め上げて二度としないように誓わせるわ!」

ふわふわの美玖さんが悪魔の笑みを浮かべそれでダメなら離婚して人生やり直す、今のご時世やり直すことはいくらでも出来るのよ!と胸を張って言い切った。
美玖さんのイメージ崩壊。
呆気にとられた後は笑いが込み上げる。
明莉より現実的で楽観主義者、すごい先輩だ。

「あ…はは、尊敬します美玖さん。お話聞いて私なんてちっぽけなことで悩んでたんだろうって思います」

「ふふ、悩むことはいいことよ。でも諦めも肝心。後はなるようになるものよ」

「そうですね」

二人で笑いあって突きすぎたデザートを食べながら、美玖さんと正木部長の馴れ初めや私の実家に鷹臣が押し掛けたことなど色々暴露しあってたくさん話した。
こんなに美玖さんと腹を割って話したことなかったけど楽しくて時間はあっという間に過ぎていった。
< 192 / 325 >

この作品をシェア

pagetop