悔しいけど好き
帰り際、スマホにメッセージが来てることに気が付いて見た途端にテンションが上がった。

「お先に失礼します!」

いつにも増して勢いよく言って足早に廊下を歩いてると外出から帰ったばかりの鷹臣とエレベーター前で出くわした。

「あっ!鷹臣お帰り!私先に帰るね!」

「あっ!凪?」

すれ違いざまそう告げてちょうど鷹臣の乗ってきたエレベーターに乗り込み振り向いた鷹臣の目の前で扉が閉まった。

ウキウキと家路を急いで家に入るなりもう一度スマホに届いたメッセージを見る。
そこには生まれたての赤ちゃんの写真と赤ちゃんを挟んでお父さんとお母さんが幸せそうに微笑んでいた写真が載っている。

[生まれたんだね!おめでとう!]

早速メッセージを送るとすぐに電話が鳴った。

「もしもし、周くん?」

「ああ、凪久しぶり」

写真の送り主は周くんでもうすぐ生まれると言っていた赤ちゃんがとうとう生まれたと連絡が来たのだ。

「今日生まれたの?おめでとう!」

「ああ、ちょうど2時間くらい前だよ。凪は仕事終わったのか?」

「うん!ちょうど帰ってきたとこ。写真見てテンション上がっちゃった!赤ちゃん可愛いね!」

「ははっ、しわくちゃで猿みたいだけどな」

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